現金

硬貨・紙幣・直ちに換金できる小切手などを含む、流動性の最も高い資産です。関連:普通預金当座預金小口現金現金過不足

この論点は日商簿記3級でよく出題されます。読みながら代表仕訳を確認していきましょう。

出題:第1問(頻出)/優先度:高

判断のコツ

概要

現金勘定には手元の紙幣・硬貨、振出人が確実な小切手など、すぐに支払いに使えるものが含まれます。取引金額の小さい日常支払いでは最も頻繁に登場する勘定です。

現金過不足が発生した場合は『現金過不足』勘定で一時処理し、月末に原因を調べて損益に振り替えます。

現金の基本(入金と出金)の最小例です。
日付 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
4/01 現金
現金売上で入金
10,000 売上 10,000
4/15 仕入
現金で支払
5,000 現金
出金で減少
5,000

現金は「入金=借方」「出金=貸方」の向きで動きます。入金では現金が借方に増え、相手は売上などの収益です。支払いでは、費用や債務の相手に対して現金が貸方で減る、と読めば迷いにくくなります。

試験で押さえるポイント

クイックリファレンス

分類資産(流動資産)
関連帳簿現金出納帳・現金過不足帳
よくあるミス小口現金や当座預金と混同する
代表取引売上代金の受取、仕入代金の現金支払い など

現金勘定は常に借方残になるのが通常です。

現金取引の仕訳(5列)

売上入金と現金支出を5列仕訳で整理し、消費税区分も分けて確認します。
日付 借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
4/01 現金売上(税抜)現金
入金で現金が増加。売上本体と消費税を分けて記録
121,000 売上 110,000
仮受消費税
税抜方式:税額は仮受で管理
11,000
4/15 現金支払仕入
費用(仕入)が増加
50,000 現金
支払で現金が減少
50,000

現金が増える取引は借方、減る取引は貸方に記入します。消費税は仮受・仮払勘定で管理します。

似ている用語との区別

実務TIP: 現金出納帳は毎日締め、残高実査(実際有高との照合)を習慣化しましょう。差異はその日のうちに原因メモを残しておくと期末処理が円滑です。

関連ページ

ミニ演習(現金)

1) 現金で仕入れを行ったときの仕訳は?
答えを見る(借)仕入 / (貸)現金。
2) 現金過不足で不足が判明したが原因不明の場合、期末にどう処理しますか?
答えを見る雑損失として損益計算書に計上する。
3) 小口現金勘定との違いは?
答えを見る小口現金は少額支払い専用の定額資金で、現金勘定とは別管理。
現金出納の基本は仕訳の標準型で反復練習しましょう。

よくある質問(FAQ)

現金に含まれるものは?

紙幣・硬貨のほか、直ちに換金できる確実な小切手などを含みます。

現金過不足はどう処理しますか?

原因判明までは現金過不足で仮処理し、期末に不足は雑損失、余剰は雑収入へ振り替えます。

対応する演習