売上原価
売上原価は「当期に売れた分の仕入原価」です。三分法では、期首・期末の振替で当期分だけを残します。関連：仕入／繰越商品／売買三分法まとめ
この論点は日商簿記3級でよく出題されます。「期首＋仕入−期末」と、期末の振替仕訳を型で覚えていきましょう。
結論（式と、振替の目的）
判断のコツ
- 売上原価は費用です（損益計算書に出ます）。
- 期末の仕訳は「仕入をいったん売上原価へ」「期末商品を売上原価から外す」の2段で考えると迷いにくいです。
- 繰越商品は期末に資産（棚卸資産）として残します。
代表仕訳（期首・期末の振替）
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 期首 | 期首振替売上原価 | 60,000 | 繰越商品 | 60,000 |
| 決算日 | 期末振替①売上原価 | 150,000 | 仕入 | 150,000 |
| 決算日 | 期末振替②繰越商品 | 80,000 | 売上原価 | 80,000 |
表の見方：期末は「仕入→売上原価」へ振替えたうえで、期末商品（繰越商品）を売上原価から外します。最終的に残った売上原価が当期の費用です。
よくあるミス
- 期末に仕入を振り替え忘れて、売上原価が作れない。
- 繰越商品の振替方向（売上原価から外す/入れる）を逆にしてしまう。
- 期末商品（棚卸資産）を費用に残してしまい、利益が小さくなる。
クイックリファレンス
| 分類 | 費用（損益計算書） |
|---|---|
| 計算式 | 期首商品＋仕入−期末商品 |
| 三分法 | 期首・期末に「売上原価↔繰越商品」を振替して確定 |
| よくあるミス | 仕入と混同する、期首・期末振替を片方だけ書く |
似ている用語との区別
ミニ演習（売上原価）
1) 期末商品（繰越商品）80,000円を売上原価から外す決算整理仕訳は？
答えを見る
（借）繰越商品 80,000 ／（貸）売上原価 80,000。2) 期末に仕入150,000円を売上原価へ振り替える仕訳は？
答えを見る
（借）売上原価 150,000 ／（貸）仕入 150,000。3) 期首商品60,000円・仕入150,000円・期末商品80,000円のとき、売上原価はいくら？