売買三分法まとめ
「仕入・売上・繰越商品」の関係と、返品・値引・割引の違いを一望できる早見表です。
判断のコツ
三分法の骨格
売上原価=期首+仕入−期末。繰越商品の振替が肝です。
返品・値引・割引(比較表)
| 区分 | 売上側 | 仕入側 |
|---|---|---|
| 返品 | 売上返品(売上の控除) | 仕入返品(仕入の控除) |
| 値引 | 売上値引(売上の控除) | 仕入値引(仕入の控除) |
| 割引 | 売上割引(早期入金の金融的割引:営業外費用) | 仕入割引(早期決済の金融的割引:営業外収益) |
表の見方:左列は区分、中央が売上側、右が仕入側です。税抜方式では返品・値引の際に消費税の戻し(仮受/仮払)も同時に処理します。
試験で押さえるポイント
- 「控除」か「金融的割引」かを最初に見極めます。
- 税抜方式なら消費税の相手勘定(仮受/仮払)を同時に処理します。
- 売上原価の期首・期末振替は必ずセットで書き切ります。
最小例(4列仕訳・TABLE)
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 掛売上売掛金 | 121,000 | 売上高・仮受消費税 | 110,000+11,000 |
| 期末振替繰越商品 | 80,000 | 売上原価 | 80,000 |
表の見方:左が借方、右が貸方です。税抜方式では「掛売上」は本体と税を分けて記録し、期末振替は「売上原価→繰越商品」(費用から資産へ戻す)の向きになります。
クイックリファレンス
| 三分法の骨格 | 期首・期末に繰越商品を振替して売上原価を確定 |
|---|---|
| 返品・値引 | 売上/仕入の控除(売上高・仕入を減らす) |
| 割引 | 売上割引=費用/仕入割引=収益(金融的割引) |
| よくあるミス | 割引を控除扱いにする、税抜方式の消費税処理を忘れる |
似ている用語との区別
ミニ演習(売買三分法まとめ)
1) 「売上返品」と「売上値引」は、どちらもどんな性質の勘定ですか?
答えを見る
どちらも売上高の控除(営業収益のマイナス)です。返品は「商品が戻る」、値引は「価格調整」です。2) 「仕入割引」は仕入の控除ですか?それとも収益ですか?
答えを見る
収益(営業外収益)です。返品・値引のように「仕入を直接減らす」のではなく、金融的割引として別勘定で処理します。3) 売上原価の計算式(期首・仕入・期末の関係)は?