給料
従業員へ支払う給与を費用として計上する勘定で、社会保険や源泉税との関係も押さえます。
出題:第1問(頻出)/優先度:高
概要
給料勘定は従業員に支払う基本給や手当を集計します。簿記3級では源泉所得税や社会保険料などの預り金とセットで出題されることがあります。
支払いが翌期になる部分は未払費用として負債計上し、翌期に支払いを行います。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/25 | 給料 総額で費用化 |
200,000 | 現金・当座預金 手取り支給 |
190,000 |
| 4/25 | — | — | 預り金 源泉税等の控除 |
10,000 |
| 3/31 | 給料 期末の未払分 |
50,000 | 未払費用 | 50,000 |
支給時は総支給額を給料で費用化し、手取りとの差額は預り金として一時的に負債で預かります。期末に未払があれば、給料を借方、未払費用を貸方にして当期の費用を適切に計上します。表をたどると「総額で費用化→控除は預り金→足りない分は翌期に支払」という流れが整理できます。
試験で押さえるポイント
- 給料支払い時は(借)給料 / (貸)現金(当座預金)。
- 源泉所得税や社会保険料を控除する場合は預り金勘定を使います。
- 決算時に未払分があれば未払費用へ振り替えます。
クイックリファレンス
| 分類 | 費用 |
|---|---|
| 関連勘定 | 預り金・未払費用 |
| よくあるミス | 控除額を費用から差し引いてしまう |
| 決算整理 | 未払給料を未払費用へ計上 |
支給総額と手取り額を区別し、控除額は預り金で管理します。
給料支払いの仕訳
給料200,000円を支払い、源泉所得税10,000円を差し引いた場合の仕訳です。
(借)給料 200,000 / (貸)現金 190,000 / (貸)預り金 10,000
預り金は後日納付します。未払がある場合は未払費用へ振り替えます。
仕訳例(5列)
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/25 | 支給(源泉控除)給料 総支給額を費用化 |
200,000 | 現金・当座預金 手取り分の支払い |
190,000 |
| 4/25 | 控除額— | — | 預り金 源泉税等の天引き |
10,000 |
| 3/31 | 期末未払給料 当期の発生を計上 |
50,000 | 未払費用 翌期に支払う分 |
50,000 |
| 5/10 | 預り金の納付預り金 控除分を納付 |
10,000 | 現金・当座預金 | 10,000 |
支給時は総額を給料で費用化し、控除分は預り金(負債)として管理します。
似ている用語との区別
- 預り金(負債) vs 未払費用(負債):預り金は天引きの一時負債、未払費用は未払いの費用計上。
- 給料 vs 外注費:従業員への報酬は給料、外部委託は外注費(3級では区分の名前を与えられる)。
実務TIP: 給与明細の総額・控除・手取りを必ず突合し、預り金の納付期限(源泉税は翌月10日)をカレンダー管理しましょう。
関連ページ
よくある質問(FAQ)
給料はどの財務諸表に表示されますか?
損益計算書の費用です(給料・賃金)。
源泉所得税などを天引きした場合はどう処理しますか?
支払額との差額を預り金として負債計上し、納付時に預り金を減らして精算します。
ミニ演習(給料)
1) 給料支給時に源泉税を控除したらどの勘定を使う?
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預り金。2) 決算時に未払給料があればどう処理?
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(借)給料 / (貸)未払費用。3) 預り金はどの財務諸表に表示?
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貸借対照表の負債。給与仕訳の練習は第1問問題で対策しましょう。