仮払金
内容不明や前渡金などの一時的な資産です。判明しだい本来の勘定(旅費交通費など)へ振り替えていきます。
ポイント
- 使途未確定の支出や前渡金に用います。判明後は費用や資産に振り替えます。
- 月末に残高が多い場合は精算漏れがないか確認していきましょう。
よくある質問(FAQ)
仮払金は資産と費用のどちらですか?
仮払金は資産です。使途が判明した段階で旅費交通費などの費用や資産へ振り替えます。
旅費の前渡しの精算はどう記帳しますか?
精算時に実際の費用を(借)旅費交通費、同額を(貸)仮払金で振替え、差額は現金等で受け払いします。
判断のコツ
よくあるミス
- 用途が決まっているのに仮払金で処理してしまい、精算が追い付かない。
- 精算時の仕訳で、仮払金の相殺(貸方)を入れ忘れて残高が残る。
- 精算差額(返金/追加支払)を落として、借方と貸方の合計が一致しなくなる。
似ている用語との区別
- 仮払金:用途が未確定の支出(あとで費用・資産へ振替)。
- 前払金:用途が確定している前払い(商品・備品など)。
- 仮受金:用途が未確定の入金(あとで売上・預り金などへ振替)。
仕訳例(インフォグラフィック)
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 6/1 | 仮払金 | 30,000 | 現金 | 30,000 |
| 6/5 | 精算旅費交通費 | 28,000 | 仮払金 前渡し分を相殺 |
30,000 |
| 現金 精算差額の返金 |
2,000 |
表の見方:先に出したお金はいったん仮払金(資産)に置き、精算時に「費用+返金」を借方、仮払金を貸方にして相殺します。
クイックリファレンス
| 分類 | 資産(流動資産) |
|---|---|
| 使う場面 | 後で精算する立替・前渡し(旅費など) |
| 精算 | (借)費用/(貸)仮払金(差額は現金・預金) |
| よくあるミス | 支払時に費用で処理してしまう、精算仕訳を忘れる |
ミニ演習(仮払金)
1) 社員へ旅費10,000円を現金で前渡ししました。仕訳は?
答えを見る
(借)仮払金 10,000 /(貸)現金 10,000。2) 後日、旅費の実費が9,200円で、残り800円が現金で返金されました。精算の仕訳は?
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(借)旅費交通費 9,200、現金 800 /(貸)仮払金 10,000。3) 普通預金に入金がありましたが、内容がまだ分かりません。いったん使う勘定は?