頻出パターン集

前払金vs仮払金、未収入金vs売掛金など、初級で混同しやすい科目を見分け表で総まとめし、模試につなげます。

この単元で身につくこと

まずイメージ:11単元の知識を「見分け」に変える

前の単元「合計残高試算表の読み方」までで、資産・負債・純資産・収益・費用の仲間分けから、仕訳・転記・試算表までを一通り学びました。本番の試験では、似た科目が並んで出題され、瞬時に見分けることが求められます。この単元では、初級で特に混同しやすい4つのペアを見分け表にまとめ、第1問の対策の型と模試への進み方を確認して、学習の総仕上げとします。

確認:ここから先は新しい科目を覚える単元ではなく、これまで学んだ科目を「本番で速く正確に選べる」状態に仕上げる単元です。

初級頻出の見分け表

次の4つのペアは、どちらも「似た場面で登場する」ために混同しやすい科目です。まず表で全体を確認しましょう。

初級頻出の見分け表(資産側と負債側のペア)
見分けたいペア違いのポイント判定の型
前払金仮払金前払金=商品・サービスの手付金(内容確定)/仮払金=金額や使いみちが未確定「何を買うか、もう決まっているか」を確認
未収入金 と 売掛金売掛金=商品代金の未回収/未収入金=商品以外(備品売却など)の代金の未回収「商品の代金かどうか」を確認
立替金預り金立替金=他人の代わりに立て替えた資産(あとで返してもらう)/預り金=他人のお金を預かった負債(あとで返す)「お金の流れがどちら向きか」を確認
買掛金未払金買掛金=商品仕入代金の未払い/未払金=商品以外(備品購入代金など)の未払い「商品の代金かどうか」を確認

表の読み方:4つのペアはすべて「資産側」と「負債側」の対になっています。まず取引が商品の売買かどうか、内容がすでに確定しているかどうかを確認すると、科目を選ぶスピードが上がります。

第1問(用語・基本原理)対策の型

第1問は、用語の意味や基本原理を選ぶ形式で出題されます。空欄に当てはまる語を選ぶ問題や、説明の正誤を判定する問題が中心です。対策の型は次の3つです。

確認:第1問で失点した科目は、そのままにせず、対応する単元のガイドや用語集に戻って仲間分けから確認し直しましょう。

模試への進み方

全12単元を学び終えたら、練習問題を単元ごとに解き、最後に本番形式の模擬試験を通しで解いていきます。

  1. 練習問題インデックスで、第1問・第2問・第3問を単元ごとに解きます。
  2. 本番形式の模擬試験を、時間を計って通しで解きます。
  3. 間違えた分野は、この単元の見分け表や対応するガイドへ戻って確認します。

確認:模試は「解けたかどうか」だけでなく、「どの仲間分けで迷ったか」を記録しておくと、次の復習が効率よくなります。

例題で型をつかむ

例題1(まぎらわしい2題)

次の2つの取引について、それぞれ増える資産の科目を答えなさい。(a)出張にあたり、旅費の概算額として現金30,000円を渡した。(b)特注の備品を注文し、手付金として現金30,000円を支払った。

  1. (a)を確認する:金額や使いみちがまだ確定していない、一時的な支払いです。
  2. (a)の仲間を決める:内容が未確定の支払いなので、仮払金(資産)です。
  3. (b)を確認する:注文する備品はすでに決まっており、その手付金です。
  4. (b)の仲間を決める:具体的な商品の手付金なので、前払金(資産)です。
例題1の答え
取引増える資産科目
(a)旅費の概算払い30,000円仮払金
(b)備品の手付金30,000円前払金

ここで迷ったら:「何を買うか、もう決まっているか」を最初に確認します。決まっていれば前払金、決まっていなければ仮払金です。

よくあるミス

「先に払うお金」を全部同じ科目にしてしまう前払金と仮払金はどちらも「先払い」に見えるため、区別せず使ってしまうミスです。内容がすでに確定しているかどうかで判定しましょう。
「商品かどうか」を確認せずに売掛金・買掛金にしてしまう備品の売却代金など、商品以外の後払いにも売掛金・買掛金を使ってしまうミスです。商品の代金かどうかを最初に確認しましょう。
見分け表を丸暗記して仲間分けを省略するペアの片方の名前だけで覚え、資産か負債かの確認を省いてしまうミスです。判定の型(仲間→内容確定→科目)を毎回同じ順序でたどりましょう。

ミニ演習(5問・即時採点)

Q1. 出張旅費の概算額を渡した時点で使う科目はどれですか?(答えを見る)

仮払金です。金額や使いみちがまだ確定していないお金を、とりあえず払ったときに使う資産です。

Q2. 特注品の手付金として支払った金額に使う科目はどれですか?(答えを見る)

前払金です。商品やサービスがすでに決まっている手付金には前払金を使います。

Q3. 備品を売却し、代金を後日受け取ることにした。増える資産科目はどれですか?(答えを見る)

未収入金です。売掛金・買掛金は商品の売買に使う科目なので、商品以外の後払いには使いません。

Q4. 社員が個人的に負担すべき代金を会社が立て替えた場合に増える科目はどれですか?(答えを見る)

立替金です。あとで返してもらう前提で一時的に立て替えたお金は資産の立替金です。

Q5. 商品以外の後払い(備品購入代金など)に使う負債科目はどれですか?(答えを見る)

未払金です。商品の仕入代金の後払いに使う買掛金とは区別します。

前払金・仮払金、未収入金・売掛金、立替金・預り金、買掛金・未払金は、どれも「仲間」と「内容が確定しているか」「商品かどうか」を確認すれば見分けられます。第1問はこの判定の型で、第2問・第3問は仕訳から試算表までの一連の流れで得点します。

3級では、これらの科目に加えて、経過勘定や貸倒引当金など、より多くの科目と決算整理を学びます。3級の「学習ガイド(簿記3級)」で全体の流れを確認できます。

対応する演習