前払費用
すでに支払った費用のうち、翌期以降に対応する金額を資産として計上します。
概要
保険料や家賃などを前払いしたとき、未経過分は前払費用として資産計上します。これにより当期の費用が適切に表示されます。
決算整理で費用勘定から振り替え、翌期に役務提供が行われた際に費用へ戻す流れを押さえましょう。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/01 | 前払費用 将来のサービス分 |
24,000 | 現金 | 24,000 |
| 3/31 | 支払保険料 期間経過分を費用化 |
12,000 | 前払費用 | 12,000 |
支払時には将来のサービス分として前払費用(資産)を計上し、時間の経過に合わせて費用へ振り替えます。前払費用は「計上で借方、費用化で貸方」という向きで動きます。
試験で押さえるポイント
- 支払時は費用計上で問題ありません。決算時に未経過分を前払費用へ振り替えます。
- 翌期に役務を受けたら、前払費用を減らして費用へ戻します。
- 摘要欄に対象期間をメモしておくと再振替の漏れが防げます。
クイックリファレンス
| 分類 | 資産(流動資産) |
|---|---|
| 代表例 | 支払保険料・支払家賃・リース料 |
| 決算整理仕訳 | (借)前払費用 / (貸)費用科目 |
| 翌期処理 | (借)費用科目 / (貸)前払費用 |
前払費用は翌期早々に忘れがちなため、スケジュール管理が大切です。
前払保険料の振替
年間保険料120,000円を当期の4月1日に支払った場合、決算(3月31日)では3か月分が未経過費用です。
決算時: (借)前払費用 30,000 / (貸)支払保険料 30,000
翌期の4月以降に費用へ戻し、期間配分を正しく反映させます。
関連ページ
ミニ演習(前払費用)
1) 前払費用は貸借対照表のどこに表示されますか?
答えを見る
流動資産。2) 決算整理仕訳で費用を減らす理由は?
答えを見る
当期に対応しない費用を除き、期間損益を正しく表示するため。3) 翌期に費用へ戻す仕訳は?
答えを見る
(借)支払保険料 / (貸)前払費用。期間按分の考え方はまとめページでも解説しています。