決算整理と締切

期間のズレを直す調整→損益に集約→次期へ繰越。

期間按分(4兄弟)

勘定方向典型例
前払費用資産(借方)保険料の未経過分 など
未払費用負債(貸方)通信費の未払 など
前受収益負債(貸方)受取家賃の次期分 など
未収収益資産(借方)受取利息の未収 など

損益振替→繰越

  • 収益・費用を損益勘定へ集約します(収益は借方、費用は貸方で振り替えます)。
  • 損益の差額を繰越利益剰余金等へ振り替えます(3級では流れの理解で十分です)。

決算整理の仕訳(例)

決算整理の代表例 前払費用・未払費用・前受収益・未収収益の4本。 借方科目金額貸方科目金額 前払費用12,000 通信費12,000 水道光熱費8,000 未払費用8,000 受取家賃60,000 前受収益60,000 未収収益15,000 受取利息15,000

図の見方:費用・収益の“期間のズレ”を、資産(前払・未収)や負債(未払・前受)に移して整えます。まずは4兄弟の「方向」を声に出して確認しましょう。

締切(損益振替)の流れ

  1. 費用を貸方に、収益を借方にして損益へ振替
  2. 損益の差額を資本(繰越利益剰余金など)
  3. 資産・負債・資本を次期へ繰り越し(残高繰越)
3級では仕訳の型を押さえ、金額は与えられた表の通りに写経できることが重要です。

ミニ演習(決算整理 4問)

1) 当期に前納した保険料のうち3,000円は次期分である。
答えを見る 借 方: 前払費用 3,000 / 貸 方: 保険料 3,000
2) 当期発生の通信費2,000円が未払いである。
答えを見る 借 方: 通信費 2,000 / 貸 方: 未払費用 2,000
3) 次期に提供するサービスの代金5,000円を当期に受け取っている。
答えを見る 借 方: 受取手数料(等) 5,000 / 貸 方: 前受収益 5,000
4) 当期の受取利息1,200円が未収である。
答えを見る 借 方: 未収収益 1,200 / 貸 方: 受取利息 1,200