仮受消費税
売上で受け取った消費税を一時的に負債として管理します。仮払消費税・未払消費税とセットで確認しましょう。
出題:第1問・第3問(頻出)/優先度:高
概要
税抜方式では、売上時に受け取った消費税を仮受消費税として負債計上します。期末に仮払消費税と相殺し、差額を未払消費税として納付額を確定します。
仮受消費税は損益計算書に影響せず、貸借対照表で管理します。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/20 | 売掛金 税込で債権発生 |
121,000 | 売上 | 110,000 |
| 仮受消費税 | 11,000 |
税抜方式では、売上本体と税額を分けて記録します。代金は税込で売掛金に計上し、仮受消費税は負債として貸方に、売上は収益として貸方に載ります。期末に仮払消費税と差し引いて未払消費税へ振り替える、という一連の流れで読むと混乱しません。
試験で押さえるポイント
クイックリファレンス
| 分類 | 負債(流動負債) |
|---|---|
| 対象取引 | 課税売上 |
| 期末処理 | (借)仮受消費税 / (貸)未払消費税(差額分) |
| 注意点 | 税抜方式のみ仮受・仮払で管理 |
仮受と仮払を整理するときは、仕訳の借方・貸方の位置に注意。
課税売上の仕訳
商品を掛けで121,000円(税抜110,000円)販売した場合の仕訳です。
(借)売掛金 121,000 / (貸)売上高 110,000 / (貸)仮受消費税 11,000
期末に仮受消費税から仮払消費税を差し引き、未払消費税へ振り替えます。
よくある質問(FAQ)
仮受消費税はどの区分に表示しますか?
流動負債に表示します。期末に仮払消費税と差し引きし、残額は未払消費税へ振り替えます。
税込方式では仮受消費税を使いますか?
いいえ。税込方式では税込金額で一括処理し、決算でまとめて調整します。
仕訳例(5列)
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/20 | 課税売上売掛金 税込で債権が発生 |
121,000 | 売上 | 110,000 |
| 仮受消費税 受け取った税額を負債で管理 |
11,000 | |||
| 3/31 | 期末相殺仮受消費税 仮受から仮払を差引き、差額を未払へ |
120,000 | 仮払消費税・未払消費税 | 120,000 |
課税売上で受け取った消費税は仮受消費税で管理し、期末に仮払消費税と差額処理した上で未払消費税へまとめます。
似ている用語との区別
- 仮受消費税(負債) vs 仮払消費税(資産)
- 未払消費税:期末の納付額(仮受−仮払の差額)。
- 税込方式では仮受/仮払を使わない。
実務TIP: 伝票に税区分(課税/非課税/対象外)と税率を明記し、月次で仮受・仮払の残高突合を行いましょう。
関連ページ
- ガイド:消費税(学習ガイド)
- 演習:第1問(消費税仕訳)
ミニ演習(仮受消費税)
1) 仮受消費税は貸借対照表のどこ?
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流動負債。2) 仮受消費税の残高が仮払より小さい場合、未払消費税はどうなる?
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借方超過となり、場合によっては仮払消費税の戻し(仮払超過)の処理が必要。3) 税込方式を採用すると仮受消費税勘定は使いますか?
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いいえ。税込方式では使用しない。期末処理は消費税ガイドで手順をチェック。