仮払消費税
仕入や経費で支払った消費税を一時的に計上する資産勘定です。仮受消費税・未払消費税と合わせて押さえましょう。
出題:第1問・第3問(頻出)/優先度:高
概要
税抜方式では消費税部分を本体価格とは分けて管理します。仕入や経費で支払った消費税は仮払消費税として資産計上し、期末に仮受消費税と相殺します。
未払消費税勘定を使って納付額をまとめ、納税時に処理します。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/12 | 仕入 本体 |
100,000 | 買掛金 | 110,000 |
| 4/12 | 仮払消費税 税額 |
10,000 | — | — |
税抜方式では、本体と税額を分けて記録します。仕入の本体は仕入勘定、税額は仮払消費税に計上し、買掛金は税込の合計で負債になります。期末に仮受消費税と相殺し、差額を未払消費税へ振り替える流れで読むのがポイントです。
試験で押さえるポイント
クイックリファレンス
| 分類 | 資産(流動資産) |
|---|---|
| 対象取引 | 課税仕入・課税経費(例:通信費) |
| 期末処理 | (借)仮受消費税 / (貸)仮払消費税 → 未払消費税 |
| 注意点 | 税込方式との違いに注意 |
期末に仮払と仮受を必ず突合し、差額を未払消費税へ移します。
課税仕入の仕訳
商品を掛けで110,000円(税抜100,000円、消費税10%)仕入れた場合の仕訳です。
(借)仕入 100,000 / (借)仮払消費税 10,000 / (貸)買掛金 110,000
期末に仮受消費税と差引して未払消費税に振り替えます。
よくある質問(FAQ)
仮払消費税はどの区分に表示しますか?
流動資産に表示します。期末に仮受消費税と相殺して未払消費税へ振り替えます。
税込方式では仮払消費税を使いますか?
いいえ。税込方式では税込金額で一括処理し、決算でまとめて調整します。
仕訳例(5列)
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/12 | 課税仕入(本体)仕入 販売用商品の取得で費用が増加 |
100,000 | 買掛金 | 100,000 |
| 4/12 | 課税仕入(税額)仮払消費税 支払った税額は資産で管理 |
10,000 | 買掛金 | 10,000 |
| 3/31 | 期末相殺仮受消費税 仮受と仮払を相殺し、差額を未払へ |
120,000 | 仮払消費税・未払消費税 | 120,000 |
課税仕入では本体(仕入)と消費税(仮払)を分け、期末に仮受消費税と差し引いて未払消費税にまとめます。
似ている用語との区別
- 仮払消費税(資産) vs 仮受消費税(負債)
- 未払消費税:期末の納付額(仮受−仮払の差額)。
- 税込方式では仮受/仮払を使わない。
実務TIP: 仕入・経費の税区分を正しく設定し、月次で仮払と仮受の差額をチェック。税率変更期は混在処理に注意します。
関連ページ
- ガイド:消費税(学習ガイド)
- 演習:第1問(消費税仕訳)
ミニ演習(仮払消費税)
1) 仮払消費税は貸借対照表のどこ?
答えを見る
流動資産。2) 仮払消費税と仮受消費税の差額が貸方超過だった場合、どの勘定へ振り替える?
答えを見る
未払消費税。3) 免税取引では仮払消費税はどうなる?
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発生しない(税額0)。消費税の通し練習は消費税まとめを参照。