買掛金
商品やサービスを掛けで購入したときの未払代金を示す負債勘定です。
出題:第1問(頻出)/優先度:高
判断のコツ
- 「商品仕入の未払か」を最初に確認。該当すれば買掛金、それ以外の営業外は未払金です。
- 支払い時は買掛金が減る=借方、出金先(現金・当座預金)を貸方に。
- 手形で支払う場合は支払手形へ振替。
- 仕入割引は営業外収益。仕入高の控除と混同しない。
概要
買掛金は仕入先に対する支払義務で、掛取引の基本的な負債です。支払い時には現金や当座預金で買掛金を減らします。
まとめ払いや仕入割引などが出題されるため、支払い形態ごとの仕訳に慣れておきましょう。
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/05 | 仕入 商品の取得で費用が増える |
80,000 | 買掛金 代金は後払い=負債が増加 |
80,000 |
| 4/12 | 買掛金 支払いで負債を減らす |
80,000 | 当座預金 口座からの出金 |
80,000 |
最初の行では、掛けで仕入れたため費用の相手として買掛金(負債)が増えます。次の行では、銀行から振り込んで支払うことで買掛金が借方に記入されて減少し、当座預金が貸方で減ります。買掛金は「増えると貸方」「減ると借方」という向きで読むと、仕訳の流れが自然につながっていきます。
試験で押さえるポイント
クイックリファレンス
| 分類 | 負債(流動負債) |
|---|---|
| 関連帳簿 | 買掛金元帳 |
| よくあるミス | 仕入割引を仕入勘定で処理してしまう |
| 支払方法 | 現金・当座預金・小切手など |
買掛金元帳で取引先別に期日管理しておくと安心です。
買掛金の支払い例
買掛金180,000円を現金で支払った仕訳と、仕入割引3,000円を受けた場合の仕訳です。
支払い: (借)買掛金 180,000 / (貸)現金 180,000
割引あり: (借)買掛金 100,000 / (貸)現金 97,000 / (貸)仕入割引 3,000
仕入割引は収益として処理し、仕入勘定を減らさない点に注意。
仕訳例(5列)
| 日付 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 4/05 | 掛仕入仕入 在庫取得のため費用(売上原価)を計上 |
80,000 | 買掛金 未払が増加(貸方) |
80,000 |
| 4/12 | 振込支払買掛金 債務の減少(借方) |
80,000 | 当座預金 口座から出金 |
80,000 |
| 4/20 | 現金支払買掛金 債務の減少(借方) |
20,000 | 現金 現金の減少(貸方) |
20,000 |
買掛金は通常「増=貸」「減=借」です。支払い時は買掛金を借方に記入します。
似ている用語との区別
実務TIP: 買掛金は取引先別の期日と支払条件(振込/手形/現金)を補助元帳で管理し、銀行明細と月次で突合しましょう。
関連ページ
ミニ演習(買掛金)
1) 買掛金を当座預金で支払ったときの仕訳は?
答えを見る
(借)買掛金 / (貸)当座預金。2) 仕入割引を受けたときの勘定科目は?
答えを見る
仕入割引(収益)。3) 買掛金元帳を作成する目的は?
答えを見る
仕入先別に残高と支払期日を管理するため。支払いパターンは仕訳問題で慣れておきましょう。
よくある質問(FAQ)
仕入割引はどの区分ですか?
営業外収益です。仕入高の控除ではありません。
振込手数料差引で支払うときは?
(借)買掛金 / (貸)普通預金・支払手数料 のように併記処理します。