引当金の横断比較

性質・設定基準・仕訳・表示区分を並べて確認します。

引当金の比較(主要項目)
名称 性質・対象 設定基準(例) 設定/戻入の仕訳 表示区分
貸倒引当金 売上債権の将来貸倒見込 残高比例法(一般債権)/個別評価(要注意先) 設定:貸倒引当金繰入 / 貸倒引当金
戻入:貸倒引当金 / 貸倒引当金戻入
負債(流動/固定の区分は性質に応じて)
賞与引当金 期末時点の未払賞与見込 支給対象期間に対応する見積額 設定:賞与引当金繰入 / 賞与引当金 負債(流動)
製品保証引当金 販売後の保証修理見込 売上高×保証率 設定:製品保証引当金繰入 / 製品保証引当金 負債(流動)
返品調整引当金 期末在庫に係る売上返品見込 関連売上高×返品率 等 設定:返品調整引当金繰入 / 返品調整引当金 負債(流動)
退職給付引当金 期末時点の退職給付見込 制度に基づく見積(2級では概説) 設定:退職給付費用 / 退職給付引当金 負債(固定)

対話で深める:引当金の横断比較

現場設定(会社規模・締め日・回収サイト・税率・契約条項):

現場エピソード(単位:万円・個・% など):

このトピックに関して、期末残高・期間・割合・金額を具体化して必ず数値で捉えます。例:当期の対象額は100〜300、期末残は120、割合は2% 等。

ユイ:数字があると、判断が速くなりますね。つまり「何に対して」「どの率で」「差額か総額か」を決めれば迷いにくい、ということですか?

先生:その通りです。定義と役割をまず言語化し、次に場面を特定、最後に金額の型(基礎×率か、差額か)に当てはめます。上のエピソードも、同じ手順で処理できます。

ユイ:試験で混乱したら、性格→場面→金額の順に自分へ問いかけます。

先生:仕訳を書いたあと、30秒で口頭説明できるかをチェックしましょう。説明できれば再現性があります。

判断基準とチェック
  • まず性格(資産・負債・費用・収益)を確定
  • 次に場面(発生/決済/見積/評価)を特定
  • 金額は「基礎×率」または「差額」のどちらかで算定
  • 30秒で説明:何が起きて、どの基礎×率(または差額)で、なぜその相手科目か
  • チェック質問:締め日と回収/支払サイトは?請求日と入出金日のズレは?
  • チェック質問:税率や非課税・免税の適用は?端数処理は指示どおり?
  • チェック質問:契約条項(検収・返品・遅延利息・前受/割賦)はどう指示されている?

共通の着眼点:
1) 見積根拠(率/期間) 2) 設定と戻入の区別 3) 表示区分(流動/固定)。個別ページで仕訳例も必ず確認しましょう。