簿記初級の全体像

試験の形式と出題範囲を先につかみ、12単元をどんな順番でどれくらいの時間をかけて進めるかを確認していきましょう。

この単元で身につくこと

まずイメージ:試験までの一本道を先に見ておく

簿記初級は、日々の取引仕訳として記録し、転記で科目ごとに整理し、月次の試算表にまとめるところまでを学ぶ試験です。範囲だけを見ると科目名がたくさんあって身構えてしまいますが、実際にやることは下の4段階の繰り返しです。まず全体の流れを見ておくと、この先の単元がどこに位置するのかが分かり、学習の見通しが立てやすくなります。

簿記初級で学ぶ流れ 取引が起こると仕訳を書き、総勘定元帳へ転記し、月次の試算表にまとめます。決算や財務諸表の作成は3級で学びます。 ① 取引 現金・商品などが動く ② 仕訳 借方・貸方に記録 ③ 転記 総勘定元帳へ書き写す ④ 試算表 月次の数字を確認 初級はここまで(決算・財務諸表の作成は3級で学びます)

図の見方:①→②→③→④の順に進みます。簿記初級では④の試算表までを扱い、その先の決算・財務諸表の作成は3級で学びます。

試験の形式(CBT・40分・配点)

簿記初級はCBT(ネット試験)方式で、認定会場のパソコンで随時受験できます。試験時間は40分100点満点中70点以上で合格です。使えるのは四則演算だけの電卓で、筆記用具やメモの持ち込みはできません。終了直後にその場で自動採点され、合否が分かります。

試験時間が短いぶん、迷って手が止まる時間をできるだけ減らすことが得点につながります。この学習ガイドでは、迷いを減らすための「型」を単元ごとに用意しています。

確認:試験時間40分・100点満点70点以上で合格、という数字をまず覚えておきましょう。

出題の3つの柱(第1問・第2問・第3問)

出題は大きく3つに分かれます。第1問は用語・基本原理の選択式で、資産負債純資産収益費用の分類や伝票・帳簿の知識が問われます。第2問仕訳の入力で、期中取引を借方・貸方に分解する力が問われます。第3問合計残高試算表の作成と数値の読み取りで、転記の結果を集計する力が問われます。

この3つは積み重ねの関係にあります。第1問の仲間分けが第2問の仕訳の土台になり、第2問の仕訳が第3問の試算表の材料になります。

確認:第1問=用語、第2問=仕訳、第3問=試算表、と対応づけて覚えましょう。

12単元の学び方(学習の地図)

この学習ガイドは12単元で構成しています。最初の3単元(全体像・5要素の基本・仕訳の基本ルール)で「仲間決め→増減→左右」という判断の土台を作り、続く6単元で現金・預金や売掛金・買掛金、商品売買、固定資産、伝票といった期中取引のパターンを一つずつ広げます。最後の3単元で転記・試算表の読み方を固め、頻出パターンの総まとめへ進みます。

学習時間の目安は、20〜40時間程度です。1日30分〜1時間のペースであれば、1か月ほどで一通り学び終えられる計算になります。焦らず、上から順番に進めていきましょう。

確認:迷ったら「用語→仕訳→転記・試算表」の順番を思い出しましょう。

例題で型をつかむ

例題1(第2問のイメージをつかむ)

現金で事務用の消耗品1,000円を購入した。仕訳を示しなさい。

  1. 仲間決め:消耗品費は費用、現金は資産です。
  2. 増減を決める:費用(消耗品費)が増え、資産(現金)が減ります。
  3. 左右を決める:費用の増加は借方、資産の減少は貸方です。
  4. 4列に並べる:借方・貸方の科目と金額を書きます。
例題1の答え
借方科目借方金額貸方科目貸方金額
消耗品費1,000現金1,000

ここで迷ったら:消耗品は購入した時点で消耗品費(費用)として処理します。仲間決め→増減→左右の順で考える練習は、次の単元から本格的に始めます。

よくあるミス

「範囲が広くて大変」と身構えすぎる使用する勘定科目の一覧を先に見て、一度に全部を覚えようとしてしまうミスです。12単元を1つずつ、用語→仕訳→試算表の順に進めれば、範囲は着実に狭まっていきます。
学習の順番を無視して試算表や模試から始めてしまう配点の大きい第3問(試算表)を先に対策したくなって起こるミスです。用語(第1問)と仕訳の基本(第2問の土台)を先に固めると、試算表の数字の意味が読み取りやすくなります。

ミニ演習(3問・即時採点)

Q1. 簿記初級の試験時間と合格基準はどれですか?(答えを見る)

40分・70点以上で合格です。CBT方式で試験時間40分、100点満点中70点以上で合格し、終了後すぐに自動採点されます。

Q2. 第2問で主に問われる内容はどれですか?(答えを見る)

期中取引の仕訳の入力です。第1問は用語・基本原理、第3問は合計残高試算表の作成と数値の読み取りが中心です。

Q3. 学習を進める順番として適切なのはどれですか?(答えを見る)

用語・仕訳の基本を固めてから、期中取引のパターンを広げ、転記・試算表へ進む順番です。土台を先に固めると、あとの単元の数字が読み取りやすくなります。

簿記初級は40分のCBTで100点満点中70点以上を取れば合格です。第1問は用語、第2問は仕訳、第3問は合計残高試算表が問われます。この学習ガイドでは、用語・仕訳の基本を固めてから期中取引のパターンを広げ、転記・試算表の理解へ進む順番で12単元を用意しています。

3級では、この試算表のさらに先、決算・精算表・財務諸表の作成まで範囲が広がります。簿記3級の全体像で確認できます。

対応する演習