頻出パターン(第1問・第2問)

ここまで学んだ単元を横断的に見渡し、第1問で頻出する型と、迷いやすい類似論点の見分け方を総点検します。模試に進む前の最終チェックとして使ってください。

この単元で身につくこと

まずイメージ:単元を横断して「型」で総点検する

これまでの単元では、論点ごとに仕訳の考え方を学んできました。本番の試験では、単元の順番どおりに出題されるとは限らず、似た科目・似た場面がまぜて出てきます。この単元では、第1問で頻出する型を一つの地図に整理し、混同しやすい科目の組を見分け方つきで並べ、第2問対策の入口と模試への進み方まで確認します。ここまでの単元をひとつひとつ振り返るのではなく、この1ページを行き来しながら弱点だけをつぶしていく使い方をおすすめします。

第1問の頻出型マップ

第1問で頻出する論点は、次のグループに整理できます。迷ったときは、まず取引がどのグループに当てはまるかを判定しましょう。

第1問の頻出型マップ
論点グループ代表的な取引確認する単元
現金・預金入出金、現金過不足、当座借越現金・預金と現金過不足
掛け取引売掛金・買掛金の発生と回収仕訳の標準型
手形・電子記録振出・受取・決済、発生記録手形と電子記録債権
固定資産取得・減価償却・売却固定資産と減価償却
引当金差額補充法、貸倒れ貸倒引当金
税金消費税の税抜処理、法人税等消費税(税抜方式)株式会社の資本・配当・税金
資本・決算資本金・配当、決算整理、精算表株式会社の資本・配当・税金決算整理と締切精算表と財務諸表の作成

表の読み方:取引文を読んで、まずどのグループに当てはまるかを判定します。グループが決まれば、使う勘定科目の候補が一気に絞り込めます。本番では1問あたりにかけられる時間が限られているため、この判定を素早く行える状態を目指しましょう。

見分けの一言集

似ている科目は、判断基準を1つ決めておくと迷わなくなります。

迷いやすい科目の見分け方
比較見分け方
買掛金 と 未払金商品(販売目的)の仕入なら買掛金。備品・消耗品など商品以外の未払いは未払金。
売掛金 と 未収入金商品を売った代金の未回収なら売掛金。固定資産の売却など商品以外の未回収は未収入金。
仮払金 と 前払費用使い道や金額がまだ確定していない一時的な支出は仮払金。金額も内容も確定していて期間按分するものは前払費用。
貯蔵品 と 消耗品費郵便切手・収入印紙は購入時に通信費・租税公課で費用処理し、期末の未使用分だけ貯蔵品(資産)へ振り替える(使った分は通信費・租税公課のまま)。事務用品などの消耗品費は原則振替不要。

表の読み方:どのペアも「対象が何か」「タイミングがいつか」の1点で決まります。もう一つ、仕訳を間違えて記帳したときの直し方として、逆仕訳(誤った仕訳を打ち消す仕訳)と正しい仕訳を合成する訂正仕訳という方法があります。ミニ演習で1問だけ扱います。

第2問対策の入口

第2問では、勘定記入・補助簿・伝票を組み合わせた出題が中心になります。第1問ほど型が単純ではなく、取引を読んでからどの帳簿・勘定に記入するかを判断する力が問われるため、まずは対応する単元で考え方を確認してから、ドリルで手を動かす順序がおすすめです。それぞれの考え方は次の単元で確認し、第2問(1)ドリル(帳簿・元帳)第2問(2)ドリル(補助簿・商品有高帳)で仕上げていきましょう。

模試への進み方

単元ごとの理解と、この単元での見分け方の総点検が済んだら、時間を計って本番形式の模擬試験に取り組みましょう。間違えた問題は、該当する単元に戻って仕訳の根拠から確認し直すと定着します。1回解いて終わりにせず、間違えた論点だけをこのページの表で見直し、数日おいてもう一度解き直すと、本番でも同じミスを繰り返しにくくなります。

例題で型をつかむ

例題1(まぎらわしい2題を並べて解く)

次の2つの取引を仕訳しなさい。①事務用の備品300,000円を購入し、代金は月末払いとした。②商品300,000円を仕入れ、代金は掛けとした。

  1. 取引の対象を確認する:①は備品(固定資産・自社使用)、②は商品(販売目的)です。
  2. 勘定科目を選ぶ基準を思い出す:商品(販売目的)の仕入・購入だけが買掛金/仕入を使い、それ以外の後払いは未払金を使います。
  3. ①の仕訳を決める:備品(資産)が増え、代金は未払金(負債)です。
  4. ②の仕訳を決める:仕入(費用)が増え、代金は買掛金(負債)です。
例題1の答え
場面借方科目借方金額貸方科目貸方金額
①備品購入備品300,000未払金300,000
②商品仕入仕入300,000買掛金300,000

ここで迷ったら:同じ300,000円・同じ「後払い」でも、対象が商品(販売目的)かどうかで勘定科目が変わります。まず「何を買ったか」を確認する癖をつけましょう。

よくあるミス

買掛金と未払金を混同する「後払い」という点だけを見て、商品の仕入でなくても買掛金にしてしまうミスです。商品(販売目的)の仕入・購入かどうかを先に確認しましょう。
売掛金と未収入金を混同する商品の売却以外の未回収(固定資産の売却代金など)も売掛金にしてしまうミスです。商品の売上による未回収だけが売掛金で、それ以外は未収入金です。
仮払金と前払費用を混同する金額や使い道が確定していない一時的な支出(仮払金)と、金額・内容が確定して期間按分する前払費用を同じ扱いにしてしまうミスです。決算日の時点で内容が確定しているかどうかで判断しましょう。

ミニ演習(5問・即時採点)

Q1. コピー用紙(消耗品費)を購入し、代金は来月払いとした。負債の勘定科目は?(答えを見る)

未払金です。コピー用紙は販売目的の商品ではないため、買掛金ではなく未払金を使います。

Q2. 自社で使っていた車両(固定資産)を売却し、代金は月末に受け取ることにした。資産の勘定科目は?(答えを見る)

未収入金です。商品の売却ではないため、売掛金ではなく未収入金を使います。

Q3. 出張旅費の概算額として現金50,000円を渡した。まだ内訳・金額は確定していない。この時点で使う勘定科目は?(答えを見る)

仮払金です。内容・金額が確定していない一時的な支出は仮払金で処理し、内容が確定してから精算します。

Q4. 期末に、まだ使っていない収入印紙2,000円分が残っていた。決算整理で使う勘定科目は?(答えを見る)

貯蔵品です。未使用のまま残っている分は、費用のままにせず貯蔵品(資産)に振り替えます。

Q5. 誤って「借方 現金10,000/貸方 売掛金10,000」と仕訳していたが、正しくは「借方 現金10,000/貸方 受取手数料10,000」だった。訂正仕訳を示しなさい。(答えを見る)

借方 売掛金10,000/貸方 受取手数料10,000です。誤った仕訳を打ち消す逆仕訳(借方 売掛金10,000/貸方 現金10,000)と正しい仕訳(借方 現金10,000/貸方 受取手数料10,000)を合成すると、現金10,000どうしが相殺され、この訂正仕訳だけが残ります。

第1問の頻出論点は7グループに整理でき、迷いやすい科目の組は「対象は何か」「タイミングはいつか」で見分けられます。第2問は勘定記入・補助簿・伝票の各単元で仕上げ、総点検が済んだら模試へ進みましょう。

対応する演習